イラクにいる大部分の日本人は現代の大陸浪人だ。 現代のイラク浪人達に常識はあるのか?
- 早稲田大学国策研究会
- 2019年12月3日
- 読了時間: 9分
文責:大御所
こんな突飛なことをいっているのもまだ小生しかいないと思いますが、戦前日本には大陸浪人と呼称される人々がたくさんおりました。
大まかな説明をしますと明治維新後、主に支那大陸(概念的には満州や朝鮮半島、内蒙古や外蒙古、加えて現在の新疆ウイグル地区くらいまでの活動を含んでも個人的には構わないと思っている、『支那』は当時の言い方の方がニュアンスが伝わると思ったので使わせてもらう)で様々な活動をした民間人を指します。
時代や地域を一定させるのは難しいですが、有名どころでは孫文を援助し辛亥革命の一翼を担ったため現在再評価されている宮崎滔天や活動に賛否両論ある黒竜会(名前が怖いね)の内田良平、大本教の出口王仁三郎も満州や内蒙古での活動は大陸浪人に近いかもしれません。
要するに色んな人が大陸に行って色んなことをやっていたということです。十人十色、目的も違えば人格も出身も学も違う様々な人がいるので一概に評価は下せないですが、いわゆる左翼一般にいわれている日本帝国主義の尖兵という簡単な括りは当てはまらないと思います。
具体的にはただ単に大陸を放浪したかったという人から、今でいうジャーナリストのように写真を撮っていた人、まだ近代資本主義が浸透していない大陸の市場で一旗揚げてやろうする野心溢れる人、もちろん宮崎滔天や内田良平のように大アジア主義という一つの理想を実現するために渡った人もいるでしょう。中には政府の密命を帯びて活動していた人もいるやもしれません。
つまり他人の目から見て、評判のいい人も悪い人も色々いたということです。ただ目立つのは得てして悪い方というのが世の常ですから、当時の日本(内地という意味)においても他人から尊敬されるような例はさほどなかっただろうというのが個人的な感想です。
例えば山東出兵において日本軍が現地に着き、その土地に住む同胞の様子を見た後、「この連中を守るために我々は戦ったのか…。」と感想を残したとも伝えられております。
日本帝国主義を弾劾している人間が知れば喜びそうなエピソードですが、わざわざ自らの国や故郷を出てまで新天地に向かう人間に粗暴なイメージが付きまとうのは古今東西同じでしょう。
インドや清国でのイギリス人の横暴はつとに知られていることですし、自らを文明人と自負している白人達によるアフリカや新大陸での蛮行は日本人と比べることすら馬鹿馬鹿しくなるほどです。
何も白人に限らず、中国共産党の政策により周辺少数民族の地に送られた漢民族による虐待は今も続く蛮行ですし、朝鮮人による満州国や日本勢力圏内の他民族に対するいじめ(もっとも敗戦後は日本人を最も虐待したようですが…、ちなみに小生の祖父も戦後の混乱期にはよく見かけたそうです)はつとに知られるところです。
他民族には暴力を振るいやすいというのもあるでしょうが、一部の地方人による大学デビューのようにそれまでのコミュニティーから離れるというのは一部の人には相当の開放感もたらすようです(旅の恥は掻き捨てという諺もその一つの例か?)。
話が横道にそれましたが、戦前に大陸浪人と呼ばれる海外へ渡った人たちがいたということは理解していただけたと思います。
またイメージが悪いのは概して一旗あげて国へ帰ろうという人たちであることも分かると思います。
つまりどこの国どの時代でも、ある程度の権力の空白地帯が生まれるとそこに行こうとする人々が現れるのです。
当然規制は緩いでしょうから、一発当てて稼ぎやすいでしょうし、それまでのコミュニティーから離れられるので故郷での嫌な思い出とも決別しやすいのでしょう。
呼び方は違いますが、NGO・NPOというのも現代の大陸浪人でしょう。大陸浪人には現地の人に感謝された方だってたくさんいたでしょうしね、いかがわしい方もたくさんいたことは言わずもがなですがね。
小生は、こういった自らの意思で海外へ雄飛された方々には、ある程度、自らの身は自らで守るという意識が共通してあって当然だろうと思うのです。もちろん戦前だってどうしようもない場合は山東出兵や上海事変の時のように軍隊など国の機関が助けに駆けつけますが、そこは自国でもなければ自国の国権の及ぶ範囲でもないのですから一人や二人の殺害や誘拐ではどうしようもない場合があるのです。
こういう意味では戦前の山東や上海は日本の国権がある程度及ぶことを国際的にも認められている地域ですから、今回のイラクでの事例はもっと自らの責任が重くなる事例だといえるでしょう。
今回の事例はアマゾンの奥地で行方不明になった早稲田の探検部の場合とちっとも変わらないと小生は思います。
やっていることは立派だと、本人たちやその支援者は思っているのでしょうが、捕まってその救出に何十億円もかかるというのでは何にもなりません。小生は大陸浪人が支那で果たした役割ということに興味がありますので、民間人が日本の国権の及ばない地域に行くことは絶対に許さないという意見ではありません。またNGOという政府以外の機関、現代の宮崎滔天も必要なのでしょう。
しかしだからこそ自分のことは自分でどうにかしてくれといいたい。これでは家族と離れて仕事でイラクの復興に行っている自衛官の方々や他国のNGOの邪魔になっただけではないか。
現在のイラクの地は日本の国権が及ばないどころか、世界でもかなり危険度の高い無法地帯となっているのですよ。
行くならばせめて不肖宮島氏のように護衛をつけるべきでしょう。最善の注意を払って誘拐されたのなら小生も何十億という救出費用もまだ仕方がないのかなと思いますよ。
しかしどんな人間が運転しているかも分からないタクシーに乗って、ハイ捕まりました、それで何十億も使われたらたまったもんじゃないですよ。
しかもそれが自衛隊撤退を標榜している人間だとしたら、むこうのテロ集団やイラク聖職者協会にとっては鴨が葱背負ってやってきたようなもんじゃないですか。これは自作自演を疑う人間がいたとしても仕方がないですよ。
やっていることがあまりにも幼すぎる。自称ジャーナリスト氏ら二人組みも同じですよ。
ちゃんと安全を確認していたのですかねえ、果たして戦場カメラマンが戦場で死んだとしてそのお葬式に国家が香典を出してくれますか、今回の、誘拐されて解放という一連の事件は個人の不注意で税金が使われるということですよ。
小生はこの二人の誘拐が伝えられた第一報でしか確認できなかったのですが、そもそもカメラマン氏の方は出国するときにイラクは金になると言って出ていったそうじゃないですか。
これが誤報だとしてもですよ、ジャーナリストとして国民に真実を知らせるんだと意気込んでもね、結局は自らの名は売れてお金も懐に入るのですからねえ。
これは戦前の一旗組とさして変わらないのではないですか、その点不肖宮島氏ははっきりそう語っているだけ好感が持てますよ。
自らの責任でリスクを負って危険な所に行く、その分他のカメラマンよりお金がもらえる。
そのかわり第三者に迷惑がかからないように、護衛を付けるなり最善の注意を払うなりする。そういう仕組みでしょう、これは。
一部の人士は人命がかかっているのだからお金の問題ではないというかもしれませんがね、お金は富と権力を象徴していますから、お金で救える命はたくさんあるのですよ。
例えばガン治療でお金が足りなくて最善の治療が受けられず亡くなる方はたくさんいらっしゃいます。
他にも負債を抱えて自殺を考えているおじさんだって救えるでしょうよ。国外に目を転じても、そのお金で食料を購入してアフリカで配給したら何千人、いや何万人が救えるんですか、あなた方(人質になった人です)はこういうことに興味がないんですか。
イラクについても全く同じです。あなた方素人が行かなくても、その三十億円で病院を建設したり、医師を派遣した方がどれだけ多くの劣化ウラン弾で苦しむ人の命が救えるのですか。
つまりあなた方の身勝手のせいでたくさんの人命が失われたということです。「よ〜く、考えよ〜お金は大事だよ〜。」ってギバちゃんや矢田亜希子も言ってるだろう。
あのCMは嫌いですけど、お金はなるべく有意義なことに使うべきですよ。分かりますか。自国の政府を無視して行くならば、世界には話し合っても分かり合えない人がたくさんいるのですから最低でも護衛を雇うなりしなさい。
それができないならばもう少し安定するまで待つか、他の場所に行きなさい。救出にかかった費用は三十億円という数字をここでは使わせてもらいますが、これはねそれが何億円でも何千万円になってもことの重大さは変わらないです。
絶対安全圏のジャーナリスト、日テレの真山氏のパキスタンでの行動を少しは見習いなさい。
それに今回の件で作ったイラク聖職者協会への借りは安くはないと思いますよ。お金以外の面でもね。
現在一部のマスコミで自国の人質は救うのが世界の常識だ、という言説が聞かれますけど、これは萩原流行が鬱病だったことくらいびっくりですよ。
そもそも日本のマスコミは世界に左右されない日本を誇りとしてきたのではなかったのですか。
世界の常識をいうなら、早くその常識とやらに則って、憲法も改正して、自衛隊も国軍と認めて、集団的自衛権も認めなさいよ。
当然、愛国心教育も常識ですし、内政干渉を受けないのも世界の常識ですよ。そういう常識が備わった人が誘拐されて、はじめて小生も国家はどんな損害を払っても人質を助けるべきだといいますよ。
まあそういう常識人なら最低限、護衛という自らを守る武力は持っていると思いますけどね。
文徳の君ではないが、パウエル氏の件といいダブルスタンダードもいいとこです。そもそも国民や小泉氏をはじめとする閣僚は、あらゆる努力と人員を傾注して助けたことやそれにかかった費用のことよりも、人質たちがあまりにも身勝手で幼いことに腹を立てているのでしょう。
これがその家族たちまでも共通していたからこそ、費用を返還しろという論まで出てきたのではないですか。
それに救出された後、イラクに残りたいと言ったのはどこのどいつですか。
事件発生から公言しておりますが小生個人の意見としては、かかった費用全額というのは無理にしろこれからこの事件関連で稼ぐであろうお金は還付して欲しいというのが希望です。
今井君は岩波の「世界」に手記を発表されるのではないですか。高遠さんはご自分の著書の売り上げはどうされるのですか。
フォトジャーナリストの郡山氏は今回の事件をジャーナリストとして報道するのではないですか。
情勢が変われば三人揃ってのテレビ出演だってありえると小生は思っております。
とにかく、有形無形に日本国民に損害を与えた五人のイラク浪人はまだ遅くないから、なんらかの責任をとれということです。
あ〜でも今井君は未成年だから自分のケツは自分で拭かなくてもいいのか。
それではイラク渡航をそそのかしたご家族や支援者の方々にお願いいたします。自らの失策ですぐ結果の分かるような損害をこうむった者は自分で責任をとるというのが日本の常識です。
国民の血税と日本国政府に助けてもらいながら、退避勧告を出していた政府に責任をなすりつけ、挙句の果てに自衛隊の撤退を求めるというその態度が「自己責任」という言葉になって返ってきたのですよ。
日本人にだって国家の国民保護の義務は分かります。同情心だって常識人に対してはありますよ。
Comments